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2014年2月5日水曜日

イノベーションのシンプル・モデル

イノベーションの方法論を端的に述べたものとしては、

よく言われる、

Think outside the Box!

というものがある。

「既存の考え、枠組みにとらわれずに考えろ」

ということだ。

しかし、これではあまりにも具体性に欠ける。

何をやってもよいということになり、次の一歩を踏み出せない。

かといって、

事細かに手順まで記載した方法論の解説では、全体像が見えず、

小手先感が大きくなってしまうのも事実であろう。


私が考える、一般性、具体性の双方をもったイノベーション方法論の概略は、

次のようなものだ。


把握⇒理解⇒活動のモデル化⇒モデルの評価
↑_______________↓


「把握」は、技術者にとって盲点となりやすい領域だ。

自らの視点のみに固執して、ユーザーの視点に欠けることが多い。


「理解」は、深入りしすぎると全体を見渡せなくなり、

手段が目的化しやすい領域だ。あくまでも、次のステップ行くための準備段階である。


この二つの領域においては、技術者はマインドセットを変えていく必要がある。


次の「活動のモデル化」は、把握・理解した対象から、

どのような活動を行うかを創造していく領域だ。

モデル自体には論理性を備えつつも、モデルを発想する行為は、creativeなアクションであり、

演繹法、帰納法といった論理的方法ではなく、アブダクションが有効である。

最後の「モデルの評価」は、いわば全体最適化である。


これら4つのステップ(フェーズ)を反復することで漸進的に行っていくのが

イノベーションのシンプル・モデルだ。