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2015年3月13日金曜日

技術者のアタマの硬さと、デザイン思考の柔らかさ

技術者の存在意義はどこにあると皆さんはお考えでしょうか?

次の2点は多くの人が捉えている内容であろうと私は思います。

1.客観性論理性をもって事に対処する

2.専門性に支持された確固たる知識を持っている


このような捉え方をした場合、その裏には次のような考え方が潜んでいるはずです。

「技術者にとって問題解決の際に邪魔をするのは、主観 だ」


言い換えると、主観を排除することで客観が得られる、と考えている人が多いのではないでしょうか


このような考え方を持った人たち(技術者やその周囲の人たち)がプロジェクトを行おうとした場合、

次のような事態に陥ることが多いものです。

A.有識者の見解を知ることは重要だ(専門知識を活用しよう)

B.専門家に依頼してみよう

C.専門家が専門家の視点で検討したことならば確実だ

D.専門家のアドバイスに従ったのだから、間違いはないはずだ

E.専門家を活用することも、彼らの検討結果を利用することも、すでに意思決定したことであり、いまさら否定はできない

A~Cの流れは、良く言えば「委託」ですが、悪く言うと「丸投げ」です。

そしてC~Eの流れは、独自基準での評価を行わない怠慢と、前例主義の弊害です。



これに対してデザイン思考の源流にあるソフトシステムズ論(SSM)では、

A~Cに関して、Dynamicな視点、Softな視点で、

状況についてのRich Pictureを得ることを、その第一段階にしています。

この第一段階では、主観を排除していません。

つまり、専門知識に依存することはしていないのです。


技術者の持つ専門性は、効率よく、且つ、確実な結果をもたらすための必須の要素ですが、

プロジェクトの早い段階で主観を排除してしまうという問題があるのです。

つまり、様々な可能性というものを早い段階で排除してしまう恐れがあるのです。


技術者の皆さんは、自社、自分のプロジェクトの製品やサービスの「ユーザー観察」を行ったことがあるでしょうか?

ユーザー観察の対象はユーザーであって、制作側の皆さんの考えとは必ずしも一致しない考えや行動様式をもっているものです。

技術者の皆さんは、「プロトタイプ」をすぐに作ることを躊躇していませんか?

考える前に手を動かし、モノを作ることでしか見えてこない事柄もあるものです。

(客観性を重視する)頭の硬さは、技術者にとっての必須要素であるとも言えますが、

開発では、行動様式、思考様式を変えて、アタマを柔らかくすることも時には必要です。




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