先日、某大学の知的資産経営関連のセミナーに行ってきました。
数名の教授陣が簡単なプレゼンを行い、その後は先生方のパネルディスカッションでした。
2時間程の時間は、とても有意義に感じました。
とはいっても、内容自体は、ほとんどが当日宣伝していた出版物(購入済)に書かれている内容や、
先生方の過去の発表内容がほとんどで、さしあたっての目新しさは感じませんでしたが。
あえて、良かった点を挙げると、
自分なりの考えや経験を、たまにはしっかりと他者視点での発表と対比して、
相対的に位置づける機会だったのではないかと思います。
会場を見渡した限り、参加者はかなり高齢の部類に入る人が中心で、
それなりの役職に就いている人ばかりだったと思われました。
また、セミナーのタイトルからして、参加者は知財業界の人が中心だったと思います。
そこで、感じたのは、はたしてこの人たちは、日本のイノベーションに影響を与えられるのか?
という率直な疑問でした。
私自身、知財業界に入って、まず感じたのは、
「どいつもこいつも、保護の話ばっかりで、ビジネスには関心ないのか?」
ということでした。
一通り知財の内容を知った後に興味を持ったのは、「標準化」でした。
世の中、「独占排他」的な点ばかりを強調する知財人ばかりで、
標準化や、オープンソースについて興味ある知財人というのには出会ったことが
当時はありませんでした。
そういった情報は、いつも海外から入手するものばかりでした。
あれから、十数年。
いま、ようやく、知財業界でも、
「これまでのやり方じゃ、まずいんじゃないの」
ということが普通に議論できるようになったのだと感じます。
そこで感じるのは、やはり、
「企業の中で、あんたら、何してたんねん、知財人?」
ということではないでしょうか。
知財人は、おおむね、勉強熱心な方が多いと思われますが、
新しいことに踏み出したり、既存の考え方以外の自由な考え方で物事を観察し、
そこで得た知識を自らの活動に生かすことができない性質の人が多いのだと思います。
セミナーの講師陣は、いずれも、知財をもともと研究していた人ではありません。
日本の事業機会を増やすために知財に着目している人たちです。
知財業界には、こういったレベルで積極的に活動できる人材が、まだまだなんだと実感した次第です。
現状、というか、おそらくこれからも知財業界は、その大部分において
口をあけて勉強すべき内容が、他人から与えられるのを待っているだけの人だらけなんではないかと思います。
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