あたりまえのことですが、
知財部が存在する理由は、
専門に特化した仕事をやらせること。
これは、経営層への説明責任を果たすことが前提になっているわけですが
前提でもある説明責任が、しっかり機能していないことが多いのが実情ではないでしょうか。
日本のモノづくりにおいてはアジア勢の勃興もあって、
やられっぱなしの感じがあり、専門に特化してやらせて(任せて)いたことが実は、
「役に立っていない?!」
「うまくいってないんじゃないの?!」
って疑問がこの数年は経営層から出てきています。
つまり、
「おまえら、責任果たしてないんじゃないの?」
ってことですね。
でも、これはあっち側(経営層)からの意見。
同じく、こっち側(知財部門)からは、
「おまえら、ちゃんとリーダシップ発揮しろよ!」
って見方もできるわけです。
これは別に喧嘩を売っているわけではないのです。
このような問題の根底には、知財分野、経営層のどちらの人材にも
マインドセット上の問題があるのだと私は考えています。
経済が右肩上がりであったころは、
やるべきことが明確で、
いかに効率よく実行していくのかという、"How" が問題でした。
だから、知財の仕事も黙々とこなせば結果はついてくるであろうという状態だったわけです。
そいういう状況下で組織づくりをしてきた知財部門では、
結果的に
やるべき事柄やその範囲を限定してあげないと、
実力を発揮できない人
が増えちゃったんじゃないの?
というのが私の正直な感想です。
そしてそのような伝統は、多くの知財関連組織に今でも息づいているはず。
現在、そして将来は新たな価値を生むイノベーションが益々必要になっていくわけですが、
これは、不確実性の高い事柄や、二律背反的な事柄を扱う必要性が増大することであると思います。
そのような環境下では、"Why" や "What" を自ら考えていくことが必要になるはずです。
知識の刷り込みを熱心に行い、何を行うかは与えられることの多い知財業界は、
将来のイノベーションにどれほどの影響を与えることができるのでしょうか?
知的資産経営を実践しようとする経営陣は、
このことをよく考えて、知財部門の仕事の行わせ方を考えていく必要があるでしょうね。
そして、自らの仕事の行い方も考えていく必要があると思います。
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