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2013年2月6日水曜日

技術者と特許の知識

特許の知識と聞くと、

皆さんはどのような内容をイメージするでしょうか?

特許法の知識、明細書の書き方、出願の仕方、権利のとり方、権利行使の仕方など。

特許の業界人は、おそらくこのようなことをまずイメージするのではないでしょうか?


ですが技術者の視点でみると、

(正直なところ)

「そんなもの、どうでもよい。」

というのが本音です。


「だって、そういう知識は、特許事務所や弁理士の仕事に必要なものじゃないの?」

「なのに、なんで技術者が肩代わりしてそういう知識を持つ必要があるの?」

と思っている方は、実はかなり多いのです。



仕事上、技術者も知財に興味をもって積極的にかかわるよう、

会社の上司に言われているから、

仕方なく対応しているという人によく接します。



そのような実態が存在するにもかかわらず、

技術者向けの特許セミナーの内容といえば、

単なる手続きの話であったりすることが多いわけです。



また、企業の知財部門の発案で、

技術者向けに

「明細書の書き方や読み方」

と題して、文言解釈上、必要になる知識を詰め込むようなセミナーも見受けられます。



このようなセミナーは、知財部の人間が有益と感じる限りにおいては、

いいセミナーとして評価されているものなのですが、

技術者側の視点では、そのようなセミナーは、

本来、知財部や特許事務所側が負うべき仕事の一部を

技術者側に丸投げされていると感じるものなのです。



もちろん、特許の仕事にかかわることで技術者側にも、

そして、彼(女)らを雇う事業会社側にもメリットはあるものです。


しかしながら、そのようなメリットを十分に引き出せるようなセミナーを実行している

特許業界の組織はあまり多くはありません。


このような問題の根底には、

多くのセミナーが提供側の将来的(比較的短期のもの)なメリットを

考えての上での近視眼的な提供に終わっていて、

イノベーション全体を俯瞰した上でのサービスの最適化が行われていない

からだと私は考えています。


もちろん、サービスの提供を受ける側の体制やマインドの問題もあるのは事実です。


知財部門と特許事務所との信頼関係の構築や維持なることすべてが、

技術者の本来の研究開発や、事業化による事業会社側への

貢献につながるわけではないということを、

折に触れて意識していくのは、非常に重要なことであると思います。







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