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2013年5月8日水曜日

デザイン思考における人間中心アプローチ

デザイン思考における重要且つ基本的な考え方に、

「人間中心」というものがあります。 参考


この人間中心という概念を短絡的に理解しようとすると、


「マーケティング調査を行い、市場のユーザからの意見聴取を行う」


といった行動をイメージすると思われます。


これに対して、かつてスティーブ・ジョブスのいたAppleの製品開発では、

市場調査は行われていなかったようです


表面的には、これらの二つの考え方は正反対のようにも思えます。


しかし、製品やサービスをデザインする初期段階で行っていることは、

次のような事柄のはずです。


1.ユーザが自覚していないので、当然、表出させてこないニーズを探ること

2.ユーザの意見と、実際の行動は必ずしも一致しないので、ユーザの想いや行動の深層を探ること

3.キライなものについては明確に述べることができるが、スキ!なことについては、明確に述べることは案外難しいので、それを探ること

4.必要であることと、欲しいということの区別も案外難しいので、注意すること


これらをひとまとめにすると、

「視点の適用の仕方を意識する」

というように理解することができます。

誰のどのような視点であるのかを意識し、

それを表出化することが、人間中心アプローチの核心なのです。



2013年3月29日金曜日

イノベーションを阻害する気質

貴方が、もし、確立されたもの、権威のあるものが好きである場合、

その気質を克服できないなら、

おそらくは、イノベーティブなことを成し遂げる確率は低くなると思われます。

それはなぜでしょう?



確立されたことを知らずのうちに求めている気質というのは、

権威あるものを含め、

「こうすれば、必ずこうなって、失敗しない!!」

ということを期待しているからです。



別の言い方をすると、アルゴリズムの存在を期待しているのです。



ここでの深層心理としては、

「自分はバカを見たくはない」

ということではないでしょうか?


逆説的ですが、イノベーションには、バカをみることが必要なのです。

成功するためのアルゴリズムは存在しません。

試行錯誤とか、探索学習という言葉で表現される行動をとることがどうしても必要なのです。


ですが、バカであり続けては、もちろんいけません。

バカをみて、うまくいくかどうかを見極めるということです。

そのために有効なことは、

ヒューリスティックスを使うことであると私は考えています。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、

仮説形成法とか、心的ショートカットと表現すれば分かりやすいかもしれません。



問題は、ヒューリスティックスは、必ずしも正解を与えないことです。

だからこそ、検証することが必要であり、

デザイン思考等の方法論では、

プロトタイピングを行ったあとの検証工程が重要となってくるのです。








2013年3月12日火曜日

デザイン思考を学ぶお値段

デザイン思考について真剣に学ぼうとする場合、

やはり、本家本元のd.schoolで学んでみようかと考えることになりますが、

最近、ダイレクトメールで私のところにも、案内状が届きました。



通常、マスターレベルでの留学などを考える人が多いですが、

ビジネスに10~15年携わっている人ならば、

Executive Programというものに参加して、Boot Campを手短に体験する機会があります。

とはいっても、英語ですし、授業料もかなりの高額です。



3日間の集中講座で、授業料は、9500ドルです。

やはり高等教育機関での講座なので、お値段もそれなりです。


「デザイン思考」という名前には、「思考」という言葉が使われていますが、

実際のところ、単なる、Design Thinkingではなく、

Design Doingであるという人もいるぐらいです。



デザイン思考では、実際に手を動かして、Prototypingを行ったりする必要性があり、

会議室で行われる通常の日本のセミナーとはかなり異なったものですが、

最近は、日本でもそのような趣旨で、実際に手を動かすセミナーが増え始めている兆しがありますね。

ですが、米国での教授陣からの実際の指導を受けられるという点については、

かなりの魅力あるものだと思います。




2013年2月20日水曜日

デザイン思考のススメ(技術者向け)


「デザイン思考を学ぶ理由:科学者とデザイナーの違い」 では、


科学者は現在を見るのに対して、

デザイナーは未来のものを現実とする

という違いがあることを述べました。

したがって、科学者や技術者がその成果をもとに

ビジネスをデザインするには、行動規範を大きく変える必要があることを説きました。



デザイン思考と、ソフトシステムズ思考との関連性、類似性について述べました。

そして、


技術者は、不確実な対象や主観を取り扱うことが苦手であると説きました。



技術者が一歩前へと踏み出すには、やはりサポートが必要であることを述べました。



デザイン思考を学ぶための無料教材が用意されています。

興味を持たれた方は、ぜひ、ご利用されてみてはいかがでしょうか?


また、本サイトの記事へのご感想もお聞かせいただければ幸いです。

2013年2月15日金曜日

デザイン思考の源流

「イノベーション」という表現が、バズワード(Buzzword)として用いられていると指摘する人もおり、

あえて使わないようにしている人たちもいるぐらいです。

おそらく、近い将来、「デザイン思考」という言葉も、

マスコミで頻繁に扱われるようになってくるものと思います。


デジタル世界において、自らのアウトプットに対して注目を浴びる観点からは、

SEOのためにバズワード化すること自体は避けようのないことかもしれませんが、

やはり、真にイノベーション活動に関わる人間となろうとする者ならば、

言葉についての正確な把握や理解をしておくことは、必要且つ本質的なことだと思います。



「デザイン思考」のプロセスを、

「単に、こうやってやるものと教わった」

というレベルでとらえている限りは理解できませんが、

問題解決のための方法論や、クリエイティブな手法全般について

包括的に学んでいれば、「デザイン思考」と「ソフトシステムズ論(SSM)」との間に

関係性や類似性があることに気づくのは、そう難しいことではありません。

少なくとも、SSMを学んで、一定レベルで身に着けている者であれば、

「デザイン思考」の考え方を、違和感なく、ごく自然に習得できるはずです。


英語版のウィキペディアには、

「デザイン思考」が、SSMから派生したとの記載があります。


Many of the early Design Processes stemmed from Soft Systems Methodology in the 1960s. Koberg and Bagnall's wrote The All New Universal Traveller in 1972 and showcase a circular seven-step process to problem-solving; although they also proposed that these seven steps could be done lineally or in feed-back loops.[23] Stanford's D. School came up with an updated seven step process in 2007.[24]

ウィキペディアにおいては、「デザイン思考」の項目自体が、

日本語版にはありません(この投稿時)。

デザイン思考についての良質な情報源は、現時点では英語がもっともよいと思います。


2013年1月11日金曜日

デザイン思考を始めるために必要なこと

IDEO社が規定するイノベーションの構成要素には、次のものがあるとされています。

(1)技術的な実行可能性(Technical Feasibility)

(2)ビジネスとしての実現可能性(Business Viability)

(3)人間としての望ましさ(Human Desirability)

参考


(1)や(2)については、技術的観点、経営的観点からビジネス分析を行う際には、

当然検討する事柄であろうと思います。

(3)についてはどうでしょうか?


デザイン思考(Design Thinking)では、この(3)の視点を重要視していることを特徴としています。

(1)~(3)の構成要素は、積み上がってできるものではなく、

互いにオーバーラップして、その中心にイノベーションが存在すると、IDEOでは捉えています。


そしてイノベーションの実現のため、デザイン思考では、

(A)着想(Inspiration)

(B)概念形成(Ideation)

(C)実装(Implementation)

という3つの行動をとるのですが、
4つに分類する方法等もありますが、ここでは便宜上3つに分類します)

具体性のある(C)と比較すると、(A)や(B)は、より抽象的であり、漠然とした内容であるため、

これらをどのように行うのかは、技術者や経営者には分かりにくいものとなっています。


ポイントは、

独立性と多様性のある人から、
(これは、ユーザーであったり、顧客やクライント等が該当します)

彼(女)らの感性や知識をうまく引き出すということ

にあります。


専門性の高い技術者は、このような行動を行うのを苦手としている人が多いようです。



そのような方たちへのサポートとしては、

(a)思考様式を、左脳(論理重視)型から右脳(感性重視)型へと転換する

(b)直観を軽視しない

(c)漸進的に物事を進める

ことを理解してもらうことから、始めるのが非常に有効です。