ページビューの合計

2011年7月29日金曜日

7月のアクセスランキング

今月から始めたこのブログですが、

まだ、コメントを頂戴できるレベルにまでは到達しておりません。

タイトルに"Drafts"とあるように、出来栄えよりも、

とりあえずOutputすることに注力しています。

基本的に知財に関連しつつも、伝統的な領域外を対象とした

事柄について書いています。



今月のアクセス状況は下記の通りでした。

第1位

「研究開発とパテント・トロール」

パテント・トロールという言葉に惹かれたものと思われますが、

みなさん、技術や知財の活用についての関心が高いと思われます。

性悪説的なトロールに対して、良い印象を持たれてはいないことと

思われますが、伝統的な知財の知識をもとにするだけでは、

結局はトロールと同じ穴のむじなに過ぎないというのが私の考えです。

「二律背反的な状況を嫌うと、

知財人はどういった行動にでるか?」


安心を求めて、権威ある方に向いてしまう方が多いでしょう。

判例に走る人、外国法に走る人、別の資格に走る人。

それぞれ確固たる目的があればよいのですが、

格を高めたところで、技術の事業化とは直接は関係ありません。

むしろ専門性を脱することこそ、

専門家が事業化の輪に入れてもらうためには必要です。

知財人へ

「自分の知らないことについて議論することができますか?」



第2位

「知財人の言い訳」

常々感じていることを簡単にまとめてみました。

以前、Twitterでのやりとりで、

「知財人というのは、物事の中心に知財、とにかく知財をもってくる性分がある」

ということを呟いた方がいらっしゃいました。

知財というのは、物事の属性の一部に過ぎず、

全体(システム)における、その物事の意味、周囲との関係性等を

考慮しなければ、事業構築という統合行為は行えないと考えています。


第3位

「特許業界とオフショア」
「コアの定義って、人により様々」

オフショア・・・の方については、

日本の知財業界の人材は、

伝統的な仕事のやり取りを通じた側面以外で、

あまり海外とは通じていないという考えが私にはありましたので、

これについて書いてみました。

特許事務所のHPを見ても、海外に情報発信している

と認定できるところは、かなり少数派です。

単に英語で事務所の紹介をしているだけでは、

情報発信とは考えません。

言語の壁があるとしても、

日本はやはり、この業界もガラパゴス化しているのではないか?

と思います。


コアの定義・・・の方は、

タイトルを読んでそのままの意味です。

例えば伝統的な知財業務をされている方がよく使う、

「上位概念・下位概念」

これについての明確な定義をされている方に、

私はいままで一度も出会ったことはありません。

常識や専門性に頼ることで、

物事を効率よく進めることが可能になるのは事実ですが、

これはフレームワークを強要することを意味しており、

異なる視点での議論をファシリテーションすることを

知財業界人は苦手としていることと、

相関があるように、私には思われます。

2011年7月28日木曜日

研究開発とパテント・トロール

研究開発に携わる人間のマインドセットは、

「人の役に立つ仕事をする」

であろう。

一方、パテント・トロールに携わる人間のマインドセットは、

「人の嫌がる仕事をする」

ではなかろうか?



どちらも、少々度が過ぎる表現かもしれないが、

二種類の職業を対比すると、

こういった表現が端的でわかりやすい。


パテントトロールとの対比では性善説で捉えた研究開発も、

もちろん、問題がないわけではない。



誰が方向を制御するのだろう?


ビジネスを度外視して、研究者の自発性に任せているだけでは、

製品やサービス、ビジネスへと成果を統合することはできない。

逆に、過度の制御は、研究開発の芽を摘んでしまう。


どちらにするか迷って、自分は何もできないのなら、

研究開発やビジネス等に関わるのはやめた方がよかろう。

知財の知識を活用して、パテント・トロールでも始めるがよい。



技術の畑から市場の畑へと道を切り開くには、

様々な分岐点が待ち受けている。

顧客の声をもっと聞くべきか、技術の潜在能力を発揮させるべきか?

新規ビジネスを立ち上げるべきか、既存ビジネスを死守していくべきか?

多角化すべきか、集中すべきか?


など、例を挙げればきりがない。

こういった「二律背反」的問題に対処する術を

知財業界人は持っているのだろうか?

持っていないのなら、自らの力で学んだことはあるのだろうか?


二律背反的問題に接したとき、

日本的な解決法ほうとして、

ネガティブな意味でのトレードオフを探ったり、

いわゆる喧嘩両成敗的に、両者の中間点をとって、

組織内の部門対立の問題としてしまい、

結果、玉虫色の決着を図ることが多いであろう。

何れも、人の間の調整を図るという視点に立った行動である。

このような方法論では、できないこと、嫌がることを回避することが

行動の中心となりやすい。

しかし、真にイノベーションを行っていくには、

できるためには、何をすることが必要なのか?

といった、Action志向、目的志向で行動することが必要なはずである。

2011年7月27日水曜日

特許業界とオフショア

プロフェッショナル人材のSNSに、

特許のオフショア関連のグループというものがあった。

参加者の国名をみると、どこも日米欧以外の

比較的マイナーな国の人が多い。

国内での仕事があまり多くはない分、

自然と自国外へと目が向くのであろう。



現在、日本国内の特許出願が減少傾向にあることが

指摘されているが、今後の日本の経済が戦後のように

発展することはないと考えると、いずれ日本も、

このようなマイナーな国になってしまう可能性は否定できない。

その時、果して日本の特許業界人はグローバルな環境で

生き残り、貢献できるのであろうかと疑問に思った。



Twitter、Tumblr、Linkedin等を活用し、

日本語と英語で、情報を発信しているが、

英語での情報発信を積極的に行っている人は、

日本や韓国ではまだまだ少数派のようだ。

私の経験上、日本語での発信は、最もネットワークの構築が鈍い。

もちろん、扱っているトピックの問題もあろうが、

ソーシャルな関わり方については、日本語を利用した環境は、

言語の問題はおいておいて、そもそも、内向きな性質を

利用者に帯びさせているように思えてならない。


特許業界の人間が置かれている環境は、

まだ、目を外に向けさせる程ではないのかもしれない。

2011年7月26日火曜日

新規事業開発と人工知能

何の関係が? と思うかもしれませんが、

両者の間には共通点があるように私は考えています。

人工知能が問題解決をする際に、

「フレーム問題」という問題が存在することをご存じでしょうか?

たとえば、これとかこれを読んでみてください。

大雑把に言うと、

人工知能は問題解決の際に、環境中の様々な要素が、

考慮すべきものなのか、考慮しなくてもよいものなのかを、

効率的に処理することはできない

ということなのです。


新規事業開発は人間が行うので、人間が処理することになりますが、

技術が絡んだ場合、何をどこまで検討するのかは、

技術の不確実性や、ビジネスの立ちあがりの不確実性等と

あいまって、人工知能のフレーム問題と似た様相を呈しているのです。



その中で重要となる用語に、

アフォーダンス

という認知科学の言葉があります。



これは私が新規事業開発の方法論を開発していた

10年前位にたどりついた概念。

人間には、この能力が潜在的に備わっていて、

関係するものを見抜くことが可能なのです。

しかし、このアフォーダンスを活用することを妨げる要因が存在します。

それは、固定観念。

実務に置き換えた場合、

特定分野の専門知識ともいえるでしょう。

専門知識自体が悪いわけではなく、

それを適用する人の頭な柔らかさ、固さが問題です。

専門家を集めて何か新しいことを始めよう!

と聞いて、「そんなことは、やめておいた方がよい」

と貴方がもし感じているならば、貴方にはアフォーダンスの意味が、

潜在的にわかっているはずです。


新規事業開発に、士業さんをはじめとする人材を登用する場合には、

その人の行動や思考を判断しないと、とても危険です。

新たな事業を本気で始めたい場合には、

むしろ素人集団の発想が有効であることも多いです。

特にB to Cのビジネスの場合、士業さんを初期的段階で入れてしまうと

どうしても手続志向になってしまうので、要注意です。

2011年7月25日月曜日

インターフェース

知財コンサルを行っている人、行おうとしている人は、

顧客とのインターフェースをどのように考えているでしょうか?


技術? 知財? 製品やサービス? 事業そのもの?

これはコンサルを行う相手が、

組織のどの部分にいるかによって大きく違います。



知財コンサルを行う人、目指す人はいずれも知財業界での

経験者が多いようですが、相手が知財部以外の人である場合、

困惑するのは、まず、相手が今までの顧客とは異なり、

知財に関するバックグラウンドが少ないか、

または皆無であることです。


この場合、今までの知財部担当者と違って、

発明を起点とした話をするのが難しい。

知財部の外にでたら、発明に興味を持つ人なんて

ほとんどいないものです。

発明や特許の話をしようものなら、

無視される、話を逸らされる、目の前で居眠りされる、

イライラされる、しまいには怒られる

なんてことが大半だと思った方がいい。


発明の保護から活用へ


なんて一般論しかできないようでは、

知財部以外の部署の人間を巻き込むのは

無理といってもよいでしょう。

2011年7月22日金曜日

モデリング(2)

モデルには、複数の種類があるというのをご存知だろうか?

(1) 記号モデル

数学や論理学で記号を使って記述する場合のモデル

(2) アナログモデル

実体の、ある性質を、意味のある他の性質によって現す場合のモデル

(3) アイコニックモデル

理想化したものであり、実在の代わりに用いられるモデル


「モデル」と聞くと、ファッション・モデルや、

モデル・ルームに代表されるがごとく、

理想化されたものを連想しやすい。そのため、

多くの人は、モデルと聞くと

(3)のアイコニックモデルを連想しやすい。


(2)の場合はどうであろうか?

代表例は、アナログの時計だ。

(2)と(3)のモデルが一般の人の頭には深く刻まれている。


(1)の記号モデルだが、数学や論理学という言葉から、

(3)のアイコニックモデルにおける理想化とか、

完璧ということを連想しがちだ。


実は、ビジネスモデルという場合のモデルは、

(1)の記号モデルに分類すべきものなのだが、

一般人の考え方の影響か、

完璧なものでなくてはならないという

誤った印象がまかり通っている。


ビジネスモデルも、(1)の記号モデルのように、

意味をもったモノを記述したモデルであって、

議論の対象物なのだ。

即ち、最初から完璧であったり、

理想化されていて、非の打ちどころがないものでは、

決してないのだ。



高学歴且つ専門性を持った人間集団を前に、

プレゼンを行った人はいないだろうか?

そこで自前の考えや、モデルを彼らに提示したとき、

おそらく部分的な欠陥をもとに、

モデル全体を否定された経験のある人は多いであろう。

聴衆は、モデルを理想化したものであって、議論の叩き台としては

認識していないのだ。

そして会場全体に

「中途半端なものを提示しやがって、だめなやつだ」

という空気を醸し出す結果となる。


こういった日本の会社における当たり前の光景は、

リスク志向で漸進していく起業家精神を持った者を

いかに応援しない環境であるかを物語っている。

2011年7月21日木曜日

モデリング

先日、「モデル」というタイトルで

技術の活用における不確実性や、

マーケットへの対応への不透明性という観点から、

議論のためのモデルという概念について書きました。


本日はもう少し具体的に。

世の中、多くの人は専門性があることを良しとする風潮があります。

しかし、これを客観的に見た場合に、

相手に丸投げできるかどうか?

という視点で人間を見ているに過ぎないと私は考えます。


ビジネスを作り上げるという点においては、はたして専門家と言える

人間はいるのでしょうか?

右肩上がりの経済では、他に追随していくだけで、

売上を伸ばすことは難しくはなかったかもしれません。

ですが、新規のビジネスの根底には起業家精神が必要なはずです。

ビジネスの活動をモデリングするということは、

専門家に任せるのではなく、自ら築き上げていく際に、

思考の助けになるのみならず、

他の者との協働に影響を与えるものなのです。


他の者との協働において問題となるのが、

「視点の違い」

です。

例えば、

「電子回路作成技術」

と聞くと、大抵は、

「電子回路を作成する技術」

と捉えるはずです。

これは、以前、デジタルとアナログのInputとOutput(2)において

動詞+目的語

で意味空間として物事を把握するとよい、ということに対応しています。

確かにその通りなのですが、

・基板に素子を接続すること

と捉えることも、

・基板上の回路に新たな電気特性を付与すること

と捉えることも可能なのです。

このように、一つの物事をもってしても、その捉え方は唯一ではなく、

とうぜん、物事の初期段階の捉え方の違いが、

その後の活動を大きく左右することはご理解いただけるでしょう。

だからこそ、捉えた対象物を、

特定の技術分野の知識を駆使して表現するのではなく、

システムとしてのビジネスをモデリングにより表現し、

これを関係者間で共有することが必要なのです。


上記で構造的な捉え方をする場合には、

当然、物を生産すること中心に据えており、

その機能については、

付随的、外部から提供されるべきものと捉えていることが多いでしょう。

一方、機能的な捉え方をする場合には、

物を実際に生産する行為自体よりも、バリューチェーンの中での

自社の特徴を把握しようとしているともいえます。



表現の違いに、その表現した者の把握の背景が現れていて、


その背景が、他の者の把握の仕方に影響するのです。



特許実務におけるクレームの解釈についての知識は、

審査や訴訟においては必須のものでしょうが、

その知識は、技術をビジネスにつなげていく際には、

障害となりえるものだと思います。



知財人が

発明の創出⇒発明の保護⇒発明の活用

といった流れで、発明や特許という概念を中心に据えていることは、

物事の捉え方に硬直性を与えてしまう原因の一つ

であることが多いようです。



近年、知財コンサルティングを標榜する特許事務所が増えている感が

ありますが、果して、彼らのモデリング能力はどれほどのものでしょうか?

2011年7月20日水曜日

デジタルとアナログのInputとOutput(3)

先日、"Input"と、"処理"について書きました。

情報収集は、RSS Feedsを活用し、

Inputを二段階で行うこと、

そして収集したデジタル情報をルーチンとして

検索すること、

処理については、

動詞+目的語によって、

自己の意味空間として構造化しておくこと。

これがキモでした。

本日は、Outputについて。

意味空間ができていれば、あとは簡単なはず。

意味空間を対象として把握したときに、

自分が感じること、考えたことを

事あるごとにメモするのです。

メモにはEvernoteを活用しています。

ただ、Evernoteにとったメモも、所詮はInput的存在なので、

これもルーチンとして検索するのです。

Outputの段階でも、やはり、

Input収集⇒整理

という工程を行うわけです。

このようにして蓄積された情報は、

もはや単なるデータではなく、

自分の意味空間というコンテキストにおける

意味ある情報・コンテンツとなっています。

そしてこのコンテキストとコンテンツを、

アナログ的な方法で整理しつつ、構造化します。

あとは、Blogなり、Twitterなり、自分の好みのメディアを通じて

アウトプットするのです。

私はアナログ的な方法の整理を、

Moleskineを使ってます。

Moleskineに自分が書き込んだ事柄は、

自分の経験や考えをまとめた、かけがえのない財産です。


これもまた、その後の活動においては、Input情報として使えるのです。

つまり、Input⇒処理⇒Outputは、一度で終わりのものではなく、

操作として、その後の活動フェーズに移行しても、

続けていくべきものなのです。


みなさんの参考になりましたでしょうか?

2011年7月19日火曜日

就活生へ:なりたがるよりも、したがれ!

多国籍企業「日本人学生は要らない。インド、中国から雇う」の真実

 もともと多国籍企業では学卒をいきなりリクルーティングするという行動原理があんまない 日本人学生が駄目ってんじゃなくて、そもそもあんまり学生をいきなり採らない。「日本人学生を採用しないの?」と聴くと、たいてい「人材会社から経験のある日本人がいっぱい紹介されるのに、なんで経験のない、これから教育コストをかけなきゃいけない学生を採用するの? 不合理じゃね?」みたいな回答を良くされる。
日本の大学生は、就職というか、就社を、


すごろくの上がり

と考えているのかもしれない。

大学にも行ったんだから、できれば有名な企業にという考え方。

自分で自分の人生や職業実績を積み上げていくということに

あまり価値を置かないのかもしれない。

理系離れと言われる時代、仕方ない側面はあるけれど、

自分にとって全くの新しい分野で経験を積むことで、

それまでとは異なる世界観を得ることも可能だ。

日本の学生が優秀でないというよりも、そもそも社会に出ていないのだからスキルがゼロであって、高いカネをかけて採用するはずがないじゃないの

私は博士課程を修了して、研究をやらずに現在の業界に

入ったが、それはそれで、切り開いていく部分があった。

アホな上司の下でも、反面教師として学ぶべき点は

多々あった。

要は、なりたがる前に、自分でやってみること。 

2011年7月15日金曜日

デジタルとアナログのInputとOutput(2)

昨日はInputについて語りましたが、

今日はOutputの前段階の「処理」について。


以前、あの勝間さんの本で、

日本人はもっとアウトプットにこだわった方がいい

と書かれているのを読んだことがありました。

たしかに、日本人は勤勉ですから、

様々な情報を入手する努力を怠らないですよね。

これはこれで重要なのですが、頭の中は外から見えない。

それに、入れたつもりでも

ほとんど身についていないことが大半なんですよね。


だから、Inputはできるだけ気軽に行っておいて、

Outputする習慣を定期的に行うと、

周りから評価の対象となるのと同時に、

自分の中での理解も深まるのです。



Outputを積極的に行うためには、

まず、自分がInputとして集めた情報等について

頻繁に検索して、情報を自分の視点で整理しておくことが必要です。

検索のキモとしては、自分の興味ある対象を、

「意味空間」

として把握するということを、私は提唱しています。

日本人は興味ある対象を、

大抵はキーワードとしての名詞で把握していることが多いと思います。

物事をTopicとして捉えており、

主観の入る余地があるために、

その内容に自ずと幅が出てきてしまいます。


どのような視点で興味の対象を把握しようとしているのかが、

自分でもよくわからないのです。

そこで、自分が興味ある事柄は、

何を、どうする ことなのか?

これを意識するといいと考えます。


英語で表現しようとする場合、

動詞+目的語

ということになります。

例えば、日頃、「特許」というキーワードで

自分の興味を定義している場合、

おそらくは、

動詞=保護、 目的語=発明

という関係で捉えていると思われますが、

実際のところ、これだけが自分の興味の対象なのか、

それとも、動詞=活用、利用にも興味があるのか、

あるいは、目的語=著作物にも興味があるのか

こういったことを自然と意識するようになれるわけです。

更には、活用や利用とは、訴訟のことを意味しているのか、

それともビジネスとしての活用のことを意味しているのか、

こういったことを考えることで、

自分としての物事の捉え方が明確になっていきます。

このような目的意識は、Inputとしての情報検索の際や、

実際に収集して得た情報を整理する際の、

非常に有効な整理手段となりえるわけです。

このような整理手段を持つということは、

自分自身が興味の対象について

構造化して把握すること、

即ち、意味空間を持つことになります。


このような意味空間をもち、

世の中の情報を検索してみると、

自分の視点がどれほどユニークなのか、

共通した視点を持っている個人や集団がどこに存在しているのか、

こういったことが分かるようになります。

2011年7月14日木曜日

デジタルとアナログのInputとOutput

デジタル情報の爆発的な増大は、ブログやTwitterが盛んになってから顕著になったと思いますが、

処理するための時間を考慮すれば、情報量は無限大といってもよい位だと感じます。

これに対して人間の処理能力と興味は、悲しいかな、有限なので、

対応するには、それなりの方法が必要と思います。

【私の場合】

情報収集には、依然としてRSS Feedsを活用しています。

Google Readerに登録しているフィード数は、1000を超えていますが、

重要度や関心に応じて、クラスを5段階位に分類しています。

そうすれば、毎朝、電車の中でタイトルチェックは簡単です。

Bylineというアプリをipod touch+wifiで使い、

とりあえず興味あるものに、Starをつけます。


実は、このステップがキモなんですね。

興味があると思っていても、後から見たら、

なんでStarをつけたのかわからないことも結構あります。

これはちょうど、Evernoteで情報収集するときに、

一旦inboxに入れるのに相当すると私は考えています。

情報のinputを2段階で行うことで、情報のフィルタリングを行うわけです。

そして、あとから見直して検討する価値のあるもののみに集中します。

このような情報収集をデジタルで行うことのメリットは、

検索を行いやすいということです。

むしろ、収集よりもこの検索が、価値を生み出す源泉かもしれない。

Google Readerを使っているなら、定期的に検索を行うことをお勧めします。

日課や、週課、月課として検索を行うことを、私はルーチンとして行うよう努めています。

行うべきルーチンは、EvernoteのRoutineというフォルダに登録しておき、

事あるごとに見直しています。←これ、結構お勧めのLifehackです。


Twitterの呟きやRT、MentionについてもRSS化しておくと、

あとからGoogleReaderでの検索に引っかかりますので、いいですよ。



きょうは、Inputについて。後日、アウトプットについて書きたいと思います。

2011年7月13日水曜日

知財人の言い訳

・斬新さ


人の行動においては、無意識のうちに前提としていることがある。

知財人の場合、保護しようとする技術を斬新さで選別することは、

その者の意識の中に深く刷り込まれているともいえるであろう。

それがゆえに、日常の業務を円滑に行えることになっている。しかし

ビジネスとの接点においては、一度、自己を客観視する必要がある。


斬新であればあるほど、既存のシステムとの相性は悪い。

現行のシステムがよいものであればあるほど、斬新な技術を

世の中に出していくのには骨が折れるものである。

製造との接点、マーケットとの接点。

これらの接点においては、様々な知識を統合していく「知」が必要だ。

技術の斬新さは、全体の中の一部にすぎない。

理系オタクは、物事を深堀することにはなれている。

だが、

モノを統合して、複雑化し、システムを作り上げることは、どうだろう?

2011年7月12日火曜日

モデル

知財とビジネスの接点において「モデル」という概念を持ち出すことがある。

ところが、この概念が曲者であることが実に多い。

大抵の人はモデルに対して完璧であることを要求しているのが原因だ。

取り扱う事象を完全には捉えきれていないモノをモデルとして提示しようものなら、議論の参加者からの攻撃をうけてしまう。 

建設的ではない場において、そのような攻撃はそのモデルのみならず、提唱者の貢献までも「使い物にならん」というレッテルを貼ることになる。

しかし、よく考えてみたまえ。

知財に結実しているとはいえ、技術には活用において不確実性が存在しているという事実を。

製品の製造や、マーケットへの対応においては、とてつもなく大きな不確実性が存在しているのだ。

そのような状況において、完璧なモデルなどあり得ない。

むしろ、完璧でないからこそ、議論の呼び水となりえるのである。

2011年7月11日月曜日

コアの定義って、人により様々

「事業のコア」だとか、「コア技術」、「コアコンピタンス」という表現は、知財と事業との接点においてよくみられる表現である。

しかし、人によって使っている意味が異なることも多い。

点としてのコアであったり、線や面としてのコアであったりする。

点としての意味で使っている人には、

事業の線や面(二次元、三次元)の視点が欠けることが多い。

事業は、点としての技術や知財だけでは立ち行かない。

こう言われれば、そんなの当たり前と思う人は多いが、

知財の現場でバリュー・チェインを語る人を見かけたことはない。

時間の座標軸の視点も欠けることが多い。

あっても、せいぜい特許期間の20年という話ぐらいだろう。

「コア」という表現自体が、広がりを排除する傾向があるのではなかろうか?

そういった意味で、Platformという表現を使うことを私は提唱したい。

自社のコアというと、頑なに排他的行動を行うことと結びつくが、

Platformという表現だと、もちろん排他的な行動をとることも可能だが、

自社内外で利用する、利用してもらうという利用関係の発想を生みやすい。