モデルには、複数の種類があるというのをご存知だろうか?
(1) 記号モデル
数学や論理学で記号を使って記述する場合のモデル
(2) アナログモデル
実体の、ある性質を、意味のある他の性質によって現す場合のモデル
(3) アイコニックモデル
理想化したものであり、実在の代わりに用いられるモデル
「モデル」と聞くと、ファッション・モデルや、
モデル・ルームに代表されるがごとく、
理想化されたものを連想しやすい。そのため、
多くの人は、モデルと聞くと
(3)のアイコニックモデルを連想しやすい。
(2)の場合はどうであろうか?
代表例は、アナログの時計だ。
(2)と(3)のモデルが一般の人の頭には深く刻まれている。
(1)の記号モデルだが、数学や論理学という言葉から、
(3)のアイコニックモデルにおける理想化とか、
完璧ということを連想しがちだ。
実は、ビジネスモデルという場合のモデルは、
(1)の記号モデルに分類すべきものなのだが、
一般人の考え方の影響か、
完璧なものでなくてはならないという
誤った印象がまかり通っている。
ビジネスモデルも、(1)の記号モデルのように、
意味をもったモノを記述したモデルであって、
議論の対象物なのだ。
即ち、最初から完璧であったり、
理想化されていて、非の打ちどころがないものでは、
決してないのだ。
高学歴且つ専門性を持った人間集団を前に、
プレゼンを行った人はいないだろうか?
そこで自前の考えや、モデルを彼らに提示したとき、
おそらく部分的な欠陥をもとに、
モデル全体を否定された経験のある人は多いであろう。
聴衆は、モデルを理想化したものであって、議論の叩き台としては
認識していないのだ。
そして会場全体に
「中途半端なものを提示しやがって、だめなやつだ」
という空気を醸し出す結果となる。
こういった日本の会社における当たり前の光景は、
リスク志向で漸進していく起業家精神を持った者を
いかに応援しない環境であるかを物語っている。
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